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「失業保険の認定日にはどのような意味があるのか」「毎回必ずハローワークへ足を運ぶ必要があるのか」という疑問は、受給を検討している方なら一度は考えることでしょう。
もし認定日の仕組みやルールを正しく理解していない場合、給付の遅延や停止といった不利益を被るだけでなく、意図せず不正受給の疑いをかけられるリスクも孕んでいます。
本記事では、認定日の定義から具体的な実務・法的観点に基づく注意点まで、法律の専門家として網羅的に解説します。適正な受給プロセスを理解し、再就職に向けた準備を円滑に進めるための参考にしてください。
失業保険の認定日とは?
ここでは、失業保険の認定日の概要を詳しく解説します。
認定日は失業状態をハローワークが確認する日
認定日とは雇用保険法に則り、受給者が「失業の状態」にあることを客観的に証明し、基本手当の受給資格を確定させる極めて重要な日です。この手続きは避けて通れるものではありません。
雇用保険法において、基本手当(失業保険)の受給要件は「労働の意思および能力を有しながら、職業に就くことができない状態」にあることと定義されています。
このため、ハローワークは受給者の現況を定期的に対面で確認し、受給資格の有無を厳格に判定する義務を負っています。制度上、受給者がこの「失業の認定」を受けない限り当該期間の受給権は確定せず、基本手当が支払われることもありません。
なお、受給者は認定日当日に「前回の認定日から今回の認定日前日までの期間において、どのような求職活動を何回行ったか」を正確に申告する義務が生じます。受給にあたっては自身の状況を正直かつ詳細に申告し、信義則に則った適切な手続きを履行する必要があります。
認定日は4週間に1回、指定された日時に行われる
基本手当(失業保険)の給付を受けるためには、原則として4週間に1回の頻度で管轄のハローワークへ出頭する必要があります。
この認定日時はあらかじめハローワークによって指定されるものであり、受給資格者が自身の都合で自由に変更することは原則として認められません。
ハローワークが指定する日時は、最初に求職の申し込みを行った曜日を基準として機械的に設定されます。たとえば、受給資格者が月曜日に初回の手続きを行った場合、ハローワークはその後の認定日も4週間後の月曜日に指定するのが一般的です。
集合時間についても午前や午後といった特定の枠組みで指定されるため、受給資格者は自身のスケジュールを認定日優先で調整し、出頭義務を履行しなければなりません。
基本手当を確実に受給するためには、これらの指定日程を最優先で確保する必要があることを、あらかじめ把握しておく必要があります。
認定日に行かないと失業保険は受け取れない
受給資格者が指定された認定日にハローワークへ来所しなかった場合、その期間の受給資格は認定されないことになり、給付金を支払う法的根拠が無くなります。その結果、振込予定であった基本手当(失業保険)の給付が留保されるだけでなく、当該期間分が不支給となる可能性もあります。
受給資格者にとって経済的支えである基本手当を失うことは、再就職活動中の生活基盤を根底から揺るがす事態に直結する問題です。法令上のやむを得ない事情(就職面接や天災など)がない限り、指定された日時に必ずハローワークへ出頭し、手続きを履行する必要があります。
認定日から振込までのスケジュール感
ハローワークは認定日に適正な失業認定を行った後、通常2~5営業日程度で指定の金融機関口座へ基本手当を振り込みます。
受給資格者は認定手続きを完了させてから概ね1週間以内には入金を確認できるのが一般的であり、これによって再就職活動中の生活原資の確保が可能です。
ただし、受給資格者が届け出た振込先口座情報に誤りがある場合や金融機関のシステム上の都合などにより、入金までに数日程度の遅延が生じる可能性は否定できません。
受給資格者は、認定完了時に交付される「雇用保険受給資格者証」に記載された次回の認定日や、給付制限期間等の注意事項を遅滞なく確認してください。また、実際に基本手当が入金されるまで自身の預金通帳や入出金明細を照合し、正当な給付が行われたかを確認することをおすすめします。
失業保険の申請から受給までの流れと認定日のタイミング
受給資格者が基本手当(失業保険)を受給するための一連の手続きにおいて、どの段階で認定日が発生するのかを正確に把握しておくことは極めて重要です。離職から実際の入金に至るまでには複数の法的ステップが存在するため、受給資格者はまず全体のフローを確認する必要があります。
ハローワークが指定する認定日と、その後の入金見込み日を把握することで、受給資格者は再就職活動中の資金計画や生活設計をより具体的に策定することが可能となります。
ハローワークでの離職票提出と受給説明会
離職者は退職後に勤務先から離職票が交付された後、速やかに管轄のハローワークへ出頭し、求職の申し込みを行わなければなりません。
ハローワークが申し込みを受理した後は、指定された日時に開催される雇用保険受給説明会への出席が義務付けられます。
受給資格者はこの説明会において、基本手当の支給要件・認定手続きの細則・求職活動実績の算定基準など、受給に関する法的・実務的なルールについて教示を受けます。
待期期間(7日間)
ハローワークが受給手続きを完了した日から起算して、最初の7日間は「待期期間」に該当します。
この期間は「受給資格者が現実に失業状態にあることを確認するために設けられた法的期間」であり、基本手当は支給されません。
受給資格者が待期期間中に就労や自己の労働による収入を得た場合、ハローワークは待期期間の延長が必要と判断します。
給付制限期間(最大3か月)
正当な理由のない自己都合により退職した受給資格者には、待期期間の終了後、一定の給付制限期間が適用されます。この期間中はハローワークにより失業の認定を受けたとしても、基本手当の給付は行われません。
雇用保険法の改正に伴い給付制限期間は1か月に短縮されましたが、受給資格者が5年間に2回を超えて自己都合退職による受給を繰り返している場合、3回目以降の制限期間は3か月に延長されます。
自身の失業保険受給履歴がわからない場合は、ハローワークの窓口で確認してもらいましょう。
給付制限期間対象外のケース
倒産や解雇などの会社都合により離職した「特定受給資格者」については、給付制限期間は適用されません。特定受給資格者は7日間の待期期間が満了した後、直ちに受給対象となります。
また、疾病や家族の介護など、やむを得ない理由により離職した「特定理由離職者」についても、同様に給付制限期間の適用を受けない措置が講じられます。
給付制限期間が3か月になるケース
受給資格者が自己の責めに帰すべき重大な理由(懲戒解雇等)により退職したと認められる場合、ハローワークは給付制限期間を3か月と決定します。
受給資格者が重大な過失によって勤務先に損害を与えた場合なども該当し、通常の自己都合退職よりも厳格な制限が課されることになります。
初回認定日
受給手続きから約4週間後に初回の認定日を迎えます。
受給資格者は初回認定日において、待期期間や給付制限期間中の求職活動状況を正確に報告しなければなりません。
特に特定受給資格者の場合は、初回認定日の時点ですでにお金がもらえる対象期間(待期期間満了後から認定日前日まで)が発生するため、提出書類に不備があると初回入金分が遅れる・無くなるといったリスクがあります。問題のないよう事前に精査しておきましょう。
失業保険の受給
認定日から数営業日後に失業保険が指定口座へと振り込まれます。その後は受給期間が終了するまで、4週間に1回のサイクルで認定と受給を繰り返していきます。
受給している間も継続的な求職活動が求められるため、給付金を受け取りながら再就職先を見つけるための活動を並行して進めましょう。
認定日の持ち物と手続き
認定日当日に慌てないために、事前の準備を整えておくことが大切です。
スムーズな受給を進めるためには、制度の理解と準備が欠かせません。
認定日に必要な物
受給資格者は、認定手続きにおいて以下の書類等を提示・提出する必要があります。
- 本人確認書類(マイナンバーカード、運転免許証等)
- 雇用保険受給資格者証
- 失業認定申告書(所定の求職活動実績を記入済みのもの)
- 認印(署名により代替可能な場合もありますが、持参が推奨されます)
- アンケート(初回認定時など、ハローワークから求められた場合)
- 筆記用具
提出書類に不備がある場合は失業の認定を保留される可能性があるため、事前の内容確認は綿密に行いましょう。
また、受給資格者が転居等により住所を変更した際は、速やかに本人確認書類を更新し、変更届け出を行う必要があります。
認定日にハローワークでやること
ハローワークに到着してからの一般的な流れは以下のとおりです。
- 受付に受給資格者証と申告書を提出する
- 窓口で現在の就職活動状況について報告・確認を行う
- (1)(2)の手続きに問題がなければ認定が行われる
- 次回の来所日時が印字された受給資格者証を受け取る
手続きに要する時間は概ね30分から1時間程度ですが、混雑状況により変動します。
受給資格者は窓口での確認が円滑に進行するよう、求職活動の状況を整理し、客観的かつ明快に説明できるよう準備しておきましょう。
認定を受けるには求職活動の実績が大事
受給資格者が基本手当(失業保険)の認定を受けるためには、原則として前回の認定日から今回の認定日前日までの期間内に、2回以上の客観的な求職活動実績を具備している必要があります。
ハローワークが求職活動として認める主な行為は以下のとおりです。
- 求人先への応募および面接の実施
- ハローワークにおける職業相談や各種講習・セミナーの受講
- 厚生労働省の許可を受けた民間職業紹介事業者(エージェント)の利用
- 公的機関等が実施する就職支援講習会等への参加
一方で、受給資格者が単にインターネット上で求人情報を閲覧・検索したのみ、あるいは知人に対して就職の斡旋を個人的に依頼するといったケースは、有効な求職活動実績として認められません。
万が一、受給資格者が規定の回数に達する求職活動を行えなかった場合であっても、失業認定申告書に虚偽の事実を記載することは厳禁です。このような行為は「不正受給」という重大な違法行為と判断される可能性があり、給付の停止や受給額の最大3倍に相当する金額の納付命令(三倍返し)等の厳しい法的制裁が科される可能性があります。
やむを得ない理由で認定日に行けない時は日付変更可能
認定日は原則として変更できませんが、以下のような正当な理由がある場合に限り、例外的に日付の変更が認められます。
- 企業の採用面接や試験と重なった場合
- 本人または家族の急な病気や怪我
- 親族の冠婚葬祭
- 災害など
変更を希望する場合は、必ず事前にハローワークへ連絡を入れ、後日、面接証明書や診断書などの証明書類を提出してください。
無断欠席は支給停止のリスクがあるため、事情が生じた時点で速やかに窓口へ相談することが最善の方法です。
弁護士が教える認定日に確認すべき労働問題のポイント
失業保険の手続きは、自身の労働条件が法律に照らして正しく処理されているかを見直す絶好の機会でもあります。
ここでは、チェックしておくべき2つのポイントを解説します。
会社都合なのに自己都合にされていないか確認
長時間労働が原因で退職した場合、離職票上の記載が自己都合であっても、実態に基づき会社都合へと変更できる可能性があります。
具体的には、離職直前の6か月間で連続する3か月間で月45時間を超える残業が続いていた場合や、1か月で100時間を超える残業があった場合などが該当します。
この判断により、特定受給資格者と認められれば給付制限期間がなくなるため、早期受給が可能となり、生活基盤の安定につながるでしょう。
上記に該当する場合は、ハローワークでの手続き時にタイムカードの写しや、勤務状況が詳しくわかる証拠を提出してください。
離職票の賃金額と実態に相違がないか確認
離職票に記載されている賃金額が、実際に支払われるべき金額と一致しているか、確認することも大事なチェックポイントです。
もし在職中にいわゆる「サービス残業」が発生していた場合、その未払分の賃金は離職票の金額に反映されません。その結果、ハローワークが算出する基本手当の日額も本来の基準より過少に設定されるという不利益が生じます。
特に、固定残業代(みなし残業代)の枠を超過して労働していたにもかかわらず、超過分の割増賃金が支払われていなかった場合、受給資格者は正当な残業代の算定および請求を検討すべきです。
受給資格者が適正な賃金に基づいて計算の修正を求めた結果、賃金日額が訂正されれば、基本手当の受給総額が増額される可能性もあります。
※給与額、雇用保険加入期間、退職理由等に応じて受け取れる失業給付金は異なります。
まとめ
失業保険の認定日は、受給資格者が適正に給付を受けるために避けては通れない重要な日です。
原則として、4週間に1回はハローワークへ足を運び、失業状態と求職活動実績を報告することで安定した受給が継続されます。
それと同時に、自身の退職理由や賃金額が法律に基づき正しく処理されているかを見直すことも忘れてはいけません。長時間労働やサービス残業といった労働問題を抱えたまま退職したなら響グループの法律の専門家へ相談することで、失業保険の早期受給や未払い残業代の回収といった道が開けます。
「未払い残業代があるかも」と気になった場合は、同グループの弁護士法人・響にご相談ください。
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